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うどんと言えば香川(讃岐)だけじゃない!ギフト・贈り物にもオススメ「手延べ三輪うどん」とは?

こんにちは、職人ライターの林です。

讃岐うどんが大好きなあなたは、こんなことを思っていませんか?

「讃岐うどん好きなんだけど、本州から新幹線通ってないから行き帰りが・・・」
「台風来たら橋もフェリーも止まって帰れないかも・・・」
「うどん代より飛行機代の方が高い・・・」
などなど、不便をかけても未だに根強いうどんブーム、
今や日本大陸で新幹線が通っていないのは沖縄と四国のみとなっている現在、
ちょっとした離れ島へのレジャー感覚でのうどん巡りが醍醐味になっていますよね。
そんなあなたに、讃岐うどんとはまた一味違う「手延べ三輪うどん」を紹介致します。
「手延べ?うどんは讃岐に限るのでは?」
うどんは讃岐に限る、そのように思われる人にこそ、もっとうどんについての魅力を知ってもらいたいと思い、
高松育ちで和菓子職人の筆者が、贈り物や自宅用にも喜ばれる「手延べ三輪うどん」について書きました。

うどんの歴史と日本三大うどん

香川県でうどんの歴史といえば、平安時代に空海が唐から故郷の四国へ、うどんの製法を持ち帰り、小麦栽培に適した讃岐の地で讃岐うどんが誕生したという説。

もう一つには、奈良時代に中国から伝来した唐菓子であると言われています。
当時に小麦粉を加工したあん入りの団子「こんとん」を
温かい汁に入れて食べるようになり温飩(おんとん)と呼ばれるようになり、それが訛り「おんとん→うんとん→うどん」になったという説。

(現在でも香川県のお雑煮は日本で唯一「餡餅入り雑煮」を食べる風習があるのもその名残だと言われています。

 
現在、日本には日本三大うどんたるものもありますが、実はうどん文化は3つに収まらないほど、いくつもあるようです。
様々な地域で言われているうどんとして、
香川県の「讃岐うどん」 秋田県の「稲庭うどん」
長崎県の「五島うどん」 群馬県の「水沢うどん」
富山県の「氷見うどん」 愛知県の「きしめん」
以上6種類が有名どころでありますが、
そのうちの
秋田「稲庭うどん」
長崎「五島うどん」
富山「氷見うどん」
この3つは「手延べうどん」と呼ばれ、讃岐うどんの手打ちうどんとは非常に異なる「手延べ製法」なのです。
 (きしめんは手打ち・手延べ製法が両方存在)

手打ちと手延べの製法と特徴

手打ちうどん(讃岐・水沢など)

主に中力粉で水・食塩を練り上げた生地に練り上げ、こねた後一定期間寝かせ、次にビニール越しで「踏みこみ」の作業。
そして再び寝かせたあと麺棒で平たく伸ばし、最後に包丁及び機械で切る。
踏み込みの作業でよく踏むことによりグルテンが成長しコシが強いのが特徴です。
包丁で切るため断面は角(エッジ)が出るのが美味いうどんの証明と言えます。
コシの強い「男うどん」

「香川県で食べたうどんの衝撃が忘れられない」

と誰しもを虜にする魅力はこのコシそのものといえるでしょう。
ただ一方で、「讃岐のうどん=固い」と思われているようですが、コシがあるとは固さがあることではありません
正しくは伸びのあるコシ
手打ち職人が粉と水と塩だけで均一に練り上げた生地は誤魔化しの効かないものです、職人の手から伝わる体温や練り上げの力加減ですべて左右されます。
それを日々の鍛錬で必ず同じものをお客さんに提供できるように、気候の変化で状態の変わる生地を見極めなければなりません。
練り上げた後も「踏み込み」では単に体重をかければよい物ではありません。
適切な硬さと伸びが得られる加減、それを全職人が息を合わせてそろえる。
そのあとの麺棒伸ばしや包丁切りにも関わる大事な工程です。
その鍛錬があってこその伸びのあるコシが生まれるのです、
もしあなたの周りに食わず嫌いの方がいらしたら、是非一度香川で食べてみることをオススメします。
 
手延べうどん(稲庭・五島・水沢など)
中力粉(または薄力粉をブレンド)を水と食塩で練り上げ同じく一定期間寝かせ、熟成した生地を一本に切り2本の棒の両端に8の字に掛け伸ばしを繰り返す。
伸ばす際に油を塗ります(油を使わない製法もある、その場合は太めの麺になる)
伸ばしでは折れたり切れたりしないよう、伸ばして作るため断面は丸であり、細くてのど越しが良い麺が特徴。
熟成と延ばす作業を繰り返すことで、茹で伸びしにくく滑らかな舌触りとなりコシのある歯切れのよい食感が生まれます。
細くしなやかながらコシのある「女うどん」
手打ちと同じく粉と水と塩のみの生地ですが、踏み込むのではなく伸ばしを行います。
手打ち製法は踏み込むことにより網目状のグルテン組織を作りますが
手延べ製法は生地を引き伸ばし(製法によっては2本か3本を編み込んで伸ばし)熟成をさせたのち、
また引き伸ばし、らせん状のグルテン組織を作るのです。
伸ばしの油は麺の急激な乾燥を防ぎ、麺同士の付着を防ぐこと、そして表面が空気に触れることなく時間をかけて熟成させるためにあります。
そして伸ばし工程は力加減のみならず、天候の気温湿度によっては配合の塩の量も加減します。
手打ちうどんでも天候による塩分の加減はありますが、熟成工程の長い手延べうどんは長時間、空気に晒されることでその日の温度や湿度により強く影響します。
そのさじ加減は職人の経験の見せ所、手打ちとはまた違う技術がもとめられます。

数時間に及ぶ熟成工程は清浄な空気設備内で行われ、
全ての工程合わせて製造に延べ24時間以上かけて出来あがった商品は、まさにその土地の風土と熟練された職人技術との結晶ではないでしょうか。

手打ちうどんと手延べうどん、いかがでしょうか?
そしてこの手延べうどん、実は素麺の作り方とほとんど同じ製法なのです。
日本三大素麺として有名なのは
兵庫県の「揖保乃糸」
奈良県の「三輪そうめん」
香川県の「小豆島そうめん」
の3つです
お気づきの方もいらっしゃるでしょうが、今回のオススメする手延べ三輪うどんは紛れもなく、
奈良県桜井市を中心とした三輪地方で生産された、そうめん発祥の地と言われる三輪です
夏は冷やして冬は暖かく、年中食され愛されている素晴らしい伝統です。
素麺の歴史は奈良時代に唐から伝来した唐菓子の1つ、索餅(さくへい)に由来するとする説があり、素麺には1200年もの歴史があると言われています。
三輪素麺の老舗「池利」嘉永3年(1850年)創業、約170年にも及ぶ歴史を培ってきた職人の技術と誇り、
その良き伝統をより広めるべくして生まれたのが「手延べ三輪うどん」なのです。
手延べうどんならではの美味しいさ
手延べうどんはその熟成期間により賞味期限が長く、ギフトの贈り物にも長けています。
麺は細目で出汁によく絡み熱に強く鍋物にも、相性抜群です。
池利の三輪うどんではこの特性によく合う出汁を考え、とろみに拘った冬季限定カレーうどん特に人気で、自宅や送り先のお子様にも喜ばれるそうです。

最後に

TVでのうどんブームによって、香川県はうどん県として著しく有名になり、それは県民の筆者にとっても喜ばしいことでした。

しかし「うどん」は何も讃岐だけに限った話ではないと、私は一つ、職人の一人として考えています。

手打ちうどんには手打ち職人としての技術があります、手延べうどんにも等しく技術の歴史や文化もあります、

確かにうどんブームによって手打ちうどんのおいしさは広まったかもしれません、しかし、
熱意とプライドをかけて精進の日々に暮れる職人たちの気持ちは常に等しく同じです。

安 全 で よ り 美 味 し い 物 を、当 た り 前 に 。

うどんブームの陰に努力を日々重ねる人がいます。

全国的な知名度や消費需要と言った世の動きとは全く無縁に、修練に励む職人たちがいます。

私も一人の職人として願っています、

贈り物を通じ伝統が日本に広まり、幸せな日常を食卓から作ることができるはずと

ぜひこれを機に、手延べうどんの新しい魅力を味わってみてください。


この記事を書いた人
職人ライター 林

香川県でとある和菓子屋に勤務している職人です。
「頭で考えるより手を動かせ」をモットーに、職人独自の面白く伝わる文章を書いています。

専門学校時代は大阪で住み込み通学を二年間、
その後地元に帰って食べた久しぶりの讃岐うどん、
「ようやく帰ってきた」格別の一杯を今でも覚えてます。
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