
同じそうめんでも実は違う!?意外と知らないそうめんの太さとその違いとは
身の回りのスーパーでも取り扱っており、手軽に購入できるそうめんですが、みなさんはどんなものを召し上がったことがありますか?
池利では三輪そうめんを中心に、いろいろなそうめんを取り扱っています。
同じそうめんでも、種類によってそうめんの太さに違いがあり、それに伴い味や食感も異なります。
そうめんでは細いものほど高級品とされていますが、それだけではありません。
そうめんの太さの違いを意識して選ばれる人は少ないかもしれませんが、その違いによっておすすめの食べ方も変わってきます!
今回は意外と知らないそうめんの太さとその違い、献立にも役立つようなアレンジレシピについてご紹介します。
こんなにも変わる!そうめんの太さの違い
全国各地でそうめんが生産されており、いろいろな特徴のあるそうめんが存在します。
産地の気候や作り方などいろいろな要因がその違いを生んでいますが、太さの違いが最も身近な違いを生んでいるかもしれません。
実はそうめんの特徴を左右するのに大事な太さですが、その割に気にしている方は少ないように思います。
そうめんの太さの違いによる、味や食べ方などの違いについて順にご紹介していきます!
「そうめん」と「ひやむぎ」と「うどん」
「そうめん」と「ひやむぎ」と「うどん」の違いについてご存知ですか?
どれも白くて長い食べ物という点では同じですが、どんな差があるのでしょうか。
乾めん類品質表示基準
日本農林規格の「乾めん類品質表示基準」というもので分けられています。
機械で作った麺の場合、そうめんの太さは直径1.3mm未満、ひやむぎは直径1.3mm以上1.7mm未満、うどんは1.7mm以上と決まっています。
つまり、材料や作り方ではなく細いものから太いものの順に「そうめん」、「ひやむぎ」、「うどん」と分けられます。
この「乾めん類品質表示基準」が定められるまでは1寸の幅に麺が何本あるのかという測り方で分類していました!
だいたいそうめんは24本以上、ひやむぎは18本から22本といったように分けていたそうです。
判断基準は変わりましたが、昔から太さで分けていたということですね!
手延べ干しめん
先ほどは機械式の場合についてご紹介しました。
手延べ干しめんについてはJAS規格で厳密に定義されているものの、そのままご説明すると長くなるので簡単にお伝えします!
そうめんの材料を混ぜ合わせて延ばす前の段階まではほぼ同じ工程です。
手延べ干しめんの場合は、麺を延ばしていく過程を手作業で行い、延ばしと熟成の工程に手間をかけて職人が作ります。
この場合も同様に太さによって種類が分かれています。
太さの違いで何が変わる?
太さの違いがあるとご説明してきましたが、それ以外の差はないのでしょうか?
違いがないというのはある意味正しいですが、太さの差が他にも影響を与えています。
それは「製法」や「味」です。
「製法」や「味」
そうめんの製法は古くは中国から伝わったとされています。
どちらも小麦と塩を使った麺ですが、ひやむぎは小麦粉を麺棒で延ばして包丁で切る「切麦」が元になっていると言われています。
太さが違うと食感が違うことはなんとなく想像できますが、味についても違いがあるようです。
実験で調べてみるとデータ上では、そうめんよりひやむぎの方が甘みや旨みが強いということがわかりました。
同じ材料を使っていても太さが違えば茹で方が変わり、味にも違いが生まれるのはおもしろいですね!
三輪そうめんの太さの違い
池利は主に三輪そうめんについて取り扱っているので、さらに詳しく太さの違いをご紹介します。
全国各地にそうめんがありますが、三大そうめんの一つである三輪そうめんの中でも太さによって分けています。
- 三輪の神杉(かみすぎ) 120本以上/10gあたり
- 三輪の緒環(おだまき) 95~105本/10gあたり
- 三輪の瑞垣(みずがき) 80~95本/10gあたり
- 三輪の誉(ほまれ) 70~80本/10gあたり
どんな違いがあるか具体的に順にお伝えします。
三輪の神杉(かみすぎ)
三輪そうめんを代表する高級品で、最高等級品です。
長年磨き上げられてきた1,200年分の技術をすべて込めて作られており、最も高級なそうめんです。
三輪そうめんの中でも最も細く、限定された生産者しか作れません。
超極細麺はしっかりとしたコシによる食感だけでなく、茹で上がった際の艶においても違いがわかるでしょう。
上品な口当たりを感じて欲しい一品です。
線状 | 600~650本 (1束/50gあたり) |
長さ | 19㎝ |
製造 | 限定された生産者 |
茹で時間 | 1分 |
三輪の緒環(おだまき)
三輪の緒環は極細専用の小麦粉を使用して限定された生産者から作られています。
さらに特徴的なのは生産時期が限定されているという点です。
高級そうめんである三輪の緒環は丁寧に束ねられ、見た目においても美しく作られています。
極細麺でありながら弾力のある歯応えが特徴です。
線状 | 475~525本 (1束/50gあたり) |
長さ | 19㎝ |
製造 | 限定された生産者 |
茹で時間 | 1分30秒 |
三輪の瑞垣(みずがき)
三輪の瑞垣は厳冬期のみ作られるそうめんです。
気温が違えば干すときの環境が変わるので、食材の配合が変わってきます。
通常の三輪そうめんよりは細めに作られており、指定生産者が管理された専用の蔵で熟成させてから出荷している堅い涸物(ひねもの)です。
熟成によって磨かれた風味や旨みが特徴です。
線状 | 400~475本 (1束/50gあたり) |
長さ | 19㎝ |
製造 | 指定生産者 |
茹で時間 | 2分 |
三輪の誉(ほまれ)
三輪の誉は三輪そうめんの約90%を占める、代表的なそうめんです。
そうめん発祥の三輪地方に伝わる手延べ製法の基本を守り、選び抜かれた小麦粉と塩で指定生産者が作っています。
小麦の風味を感じることができる味わい深いそうめんながら、最も身近で三輪そうめんの特徴を味わえる一品となっています。
三輪そうめんを食べたことがないという方には、まず初めに味わっていただきたいそうめんです。
線状 | 350~400本 (1束/50gあたり) |
長さ | 19㎝ |
製造 | 指定生産者 |
茹で時間 | 2分 |
太さの違いでアレンジそうめんレシピ
そうめんは太さが変われば味や食感が異なります!
そうした太さに応じてレシピを変えることで、それぞれの太さの特徴を活かした料理を愉しむことができるでしょう。
お中元などの季節はそうめんをもらうことも多いでしょうし、毎回同じ料理で困っていた方もいらっしゃるかと思います。
そのような方はぜひ場合に応じて使い分け、これまでとは違ったそうめん魅力を感じてみてはいかがでしょうか。
一度は試して欲しい自家製麺つゆ
極細麺があるときはそれぞれの風味を活かした麺つゆで食べるのがおすすめです。
スタンダードな麺つゆに思えますが、素材の美味しさがよくわかる食べ方となっています。
「なんだ麺つゆか」と思わず、少し良いそうめんがあるときは騙されたと思って作ってみてください!
自分の好みの出汁で作る麺つゆは格別です!
超極細麺の三輪の上杉がある場合などはぜひお試しください。
材料
- 昆布:適量
- かつお節:適量
- 干ししいたけ:適量
- 濃口醤油:1/2カップ
- みりん:2/3カップ
作り方
- 昆布とかつお節で1番だしを3カップ取り、これに干ししいたけの戻し汁を1カップ加えます。(干ししいたけの代わりに干し海老・焼きあゆ・鯛・にぼしなどお好みの風味を加えてお試しください)
- 1に濃口醤油1/2カップ、みりん2/3カップを加えて煮ます。
- 最後にもう一度追いかつお節を加えすぐ火を止めます。
3をこして出来上がりです。冷してお召し上がりください。
さっぱり食べたいときはカットしたトマトを入れておくと、旨みと酸味が加わり美味しくいただけます!
トマトとオクラの胡麻冷しゃぶ風そうめん
いつものそうめんに飽きてきた方におすすめです。
白胡麻と白味噌の風味に大葉がアクセントになって、さわやかに食べられます!
緒環、瑞垣、誉など細麺を使えば、こういったアレンジも美味しく食べられるでしょう。
材料
- 三輪そうめん:2束
- 白胡麻:大さじ2杯
- 桜エビ:20g
- 梅干し:2個
- 白味噌:100g
- 大葉:3枚
- めんつゆ:50ml
- 水:300ml
- きゅうり(スライス):1本
- オクラ(輪切り):3本
- ミニトマト:3個
- 細ネギ(細切り):少々
- みょうが(千切り):1個
作り方
- フライパンに白胡麻、桜エビを入れて、軽く炒りすり鉢でする。
- 1に梅干し(タネは取り出す)、味噌を加えよく混ぜる。
- 2に水、めんつゆ、細く切った大葉を加え、混ぜ合わせ、ネギを入れつけ汁の完成。
- そうめんとオクラを茹で、器に盛り、きゅうり、トマト、オクラ、みょうがを盛り付ける。
つけ麺で食べてもぶっかけでも美味しく召し上がれます!
キムチ味噌にゅうめん
最後に太めの麺があるときのおすすめレシピをご紹介します。
通常の麺でも美味しいですが、三輪うどんといった太い麺で作っても美味しいでしょう。
材料
- そうめんまたは三輪うどん:2束
- キムチ:100g
- 豆腐:1/2丁
- ニラ:1/4束
- 味噌:80g
作り方
- そうめんは固めに茹でておく。
- 鍋に水800mlを入れ火にかける。
- 豆腐をサイコロ状に切り鍋に入れる。
- お湯が沸騰したら味噌を溶き入れ、キムチを入れる。
- そうめんを入れ2cm幅に切ったニラを散らして完成。
お好みで卵を落とし入れても美味しく食べられます!
好みの固さまで火を通してお召し上がりください。
そうめんの太さの違いを楽しもう
そうめんの太さの違いでこんなにも違いがあるのを知っていただけましたか?
お中元でそうめんをもらうことが多いご家庭がたくさんあると思いますが、同じようなそうめんだと思っていたものも、今回ご紹介したような違いがあったと思います!
ご自宅でも手軽に美味しいそうめんを食べていただくために、太さの違いを気にしてみてはいかがでしょうか。
一般に流通しているそうめんののど越しが好きという方も細麺や太い麺が好きだという方も、それぞれの茹で加減で楽しんでいただけるのはそうめんの魅力の一つです。
細いそうめんと太いそうめんの食感は全く違うものですが、この違いは好みになってくるので、まだ食べたことのない太さのそうめんがある場合はぜひその違いを楽しんでみてくださいね。
ご紹介したアレンジレシピを使っていただいても良いですが、他にも美味しく食べられるレシピをまとめたものがあるので、よければこちらもご覧ください!